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【事例30選】企業コーポレートサイトのデザインと作り方の基本

投稿 2025年6月29日

企業の顔とも言える「コーポレートサイト」。いざ自社のサイトを制作・リニューアルしようと思っても、「どんなデザインにすれば良いか分からない」「参考になるおしゃれなサイトが見つからない」とお悩みではありませんか?

企業のホームページは、ブランドイメージや信頼性を伝え、採用活動やビジネスチャンスにも繋がる非常に重要なツールです。しかし、その目的や役割、必要なコンテンツを理解しないまま作ってしまうと、期待した効果は得られません。

この記事では、これからコーポEレートサイトを制作するウェブ担当者や経営者の方に向けて、デザインの参考になる優れた企業サイトを「おしゃれ」「かっこいい」「シンプル」のテイスト別に30サイト厳選してご紹介します。

さらに、コーポレートサイトの基本的な役割から、必須のコンテンツ要素、センスの良いデザインを実現するポイント、制作の流れ、費用相場まで、分かりやすく網羅的に解説します。

この記事を読めば、自社が目指すべきコーポレートサイトの姿が明確になり、成功への第一歩を踏み出せるはずです。

デザインテイスト別コーポレートサイト参考事例

まずは、インスピレーションの源となる優れた企業のコーポレートサイトをデザインのテイスト別に見ていきましょう。各サイトがどのような工夫をしているのか、デザインのポイントにも注目してみてください。

おしゃれで洗練されたデザインの企業サイト10選

ユーザーに良い印象を与える、細部までこだわったおしゃれなデザインのサイトを集めました。

  1. 株式会社TENTIAL
    ウェルネス関連製品を扱うD2C企業。商品の機能性を分かりやすく伝えつつ、クリーンでおしゃれな世界観を両立させています。
    https://corp.tential.jp/
  2. 株式会社クラシコム
    ECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営する企業。余白を活かしたレイアウトと美しい写真で、丁寧な暮らしを提案する世界観を表現しています。
    https://kurashicom.jp/
  3. 株式会社BAKE
    お菓子をモチーフにしたアニメーションや、遊び心のあるデザインが魅力的。企業の「おいしい」へのこだわりが感じられます。
    https://bake-jp.com/
  4. 株式会社スマイルズ
    「Soup Stock Tokyo」などを手掛ける企業。事業内容をグラフィカルに表現し、企業の価値観や世界観を直感的に伝えています。
    https://www.smiles.co.jp/
  5. バルミューダ株式会社
    家電製品の持つ上質な世界観を、美しい製品写真とミニマルなデザインで表現。製品開発のストーリーを伝え、ブランドへの愛着を深めます。
    https://www.balmuda.com/jp/
  6. 株式会社虎屋
    長い歴史を持つ和菓子店。伝統の重みと現代的な美意識を両立させた、品格のあるデザインが特徴です。
    https://www.toraya-group.co.jp/
  7. 株式会社スノーピーク
    アウトドアの臨場感が伝わる高品質な写真と動画が印象的。自然との一体感を表現しています。
    https://www.snowpeak.co.jp/
  8. 株式会社カヤック
    「面白法人」を名乗るだけあり、ユニークな仕掛けが満載。訪問者を楽しませるエンターテイメント性の高いサイトです。
    https://www.kayac.com/
  9. 株式会社I-ne (BOTANISTなど)
    ミニマルな構成の中に、製品の持つ洗練されたイメージを的確に表現。美しい製品写真が際立つデザインです。
    https://i-ne.co.jp/
  10. 株式会社アダストリア
    多数のアパレルブランドを展開する企業。ファッション性の高いビジュアルとトレンド感のあるデザインで、ライフスタイルを提案する姿勢を示しています。
    https://www.adastria.co.jp/

かっこいい・先進的なデザインの企業サイト10選

技術力の高さや革新性を感じさせる、スタイリッシュでかっこいいデザインのサイトをご紹介します。

  1. ソニーグループ株式会社
    黒を基調とした背景に、製品の美しいビジュアルが際立つデザイン。技術力とブランドの先進性を力強く表現しています。(参考:https://www.sony.com/ja/
  2. 株式会社ispace
    月面開発に取り組む宇宙スタートアップ。宇宙の壮大さを感じさせるビジュアルと、未来へのビジョンを力強く語るコンテンツが魅力です。
    https://ispace-inc.com/jpn/
  3. 本田技研工業株式会社
    製品の躍動感を伝える動画や高品質なCGを全面的に使用。モビリティの未来を感じさせる先進的なデザインです。(参考:https://www.honda.co.jp/
  4. 株式会社資生堂
    美を追求する企業の姿勢を、アート性の高いビジュアルと洗練されたレイアウトで表現。エレガントで力強い印象を与えます。
    https://corp.shiseido.com/jp/
  5. 株式会社ワンキャリア
    採用DXを手掛ける企業のサイト。黒と白のコントラストを効かせたシャープなデザインで、データの信頼性とサービスの先進性を表現しています。
    https://onecareer.co.jp/
  6. 株式会社monopo
    国内外で活躍するクリエイティブエージェンシー。大胆なレイアウトとインタラクションで、既成概念にとらわれない姿勢を表現しています。
    https://monopo.co.jp/ja/
  7. チームラボ株式会社
    自社が手掛けるデジタルアート作品を全面に押し出し、言葉以上に企業のクリエイティビティと技術力を物語っています。
    https://www.team-lab.com/
  8. サントリーホールディングス株式会社
    豊富な製品情報をカテゴリごとに整理し、ユーザーが目的の情報を探しやすい構成になっています。https://www.suntory.co.jp/
  9. 株式会社メルカリ
    サービスのシンプルさと革新性を、クリーンなデザインと直感的なインターフェースで表現しています。(参考:https://about.mercari.com/
  10. KDDI株式会社
    通信の未来や技術革新を、抽象的なグラフィックやスムーズなアニメーションを用いてスタイリッシュに描いています。
    https://www.kddi.com/

シンプルで見やすいデザインの企業サイト10選

情報を整理し、ユーザーが必要な情報へ迷わずたどり着けるように配慮された、見やすいデザインのサイトです。

  1. note株式会社
    メディアプラットフォーム「note」と同様に、コンテンツを読むことに集中できるシンプルなデザイン。クリエイターを支えるという企業の姿勢が表れています。
    https://note.jp/
  2. 株式会社ユニクロ
    グリッドレイアウトを基本とした整然としたデザイン。膨大な情報量ながら、見やすく整理されています。
    https://www.uniqlo.com/jp/ja/
  3. 株式会社LIG
    ブログメディアのイメージが強いですが、コーポレートサイトは情報を整理し、事業内容が分かりやすく伝わる構成になっています。
    https://liginc.co.jp/
  4. Sansan株式会社
    BtoBサービスを提供する企業として、信頼性と分かりやすさを両立。白を基調としたグリッドレイアウトで、情報を整然と見せています。
    https://jp.sansan.com/
  5. 株式会社サイバーエージェント
    情報をカード型で整理し、視覚的に分かりやすく配置。白とコーポレートカラーの緑を基調としたクリーンな印象です。
    https://www.cyberagent.co.jp/
  6. クックパッド株式会社
    レシピサイトのイメージ通り、シンプルで温かみのあるデザイン。企業のミッションがストレートに伝わります。
    https://info.cookpad.com/
  7. ラクスル株式会社
    印刷・広告のシェアリングプラットフォーム。サービス内容が直感的に理解できるよう、イラストやアイコンを効果的に使用した分かりやすいデザインです。
    https://corp.raksul.com/
  8. 株式会社メルペイ
    フィンテックサービスの先進性とスマートさを、クリーンかつ動きのあるインターフェースで表現。信頼感と使いやすさを両立しています。
    https://jp.merpay.com/
  9. 株式会社ユーザベース
    経済情報プラットフォームを提供する企業。情報を扱うプロフェッショナルとしての信頼感を、シンプルかつ機能的なデザインで示しています。
    https://www.uzabase.com/jp/
  10. 株式会社グッドパッチ
    UI/UXデザインを専門とする企業。サイト自体がデザインの思想を体現しており、論理的かつ美しい情報設計がなされています。
    https://goodpatch.com/

コーポレートサイトとは企業の顔となるWebサイト

多くの素晴らしい事例を見てきましたが、ここで改めて「コーポレートサイト」の基本についておさらいしましょう。

コーポレートサイトとは、その企業の公式な情報を発信するためのWebサイトです。よく「企業のホームページ」とも呼ばれ、インターネット上における企業の「顔」や「名刺」のような役割を果たします。

製品やサービスを直接販売するECサイトや、特定のサービスに特化したサービスサイト、採用情報に特化した採用サイトとは異なり、株主、顧客、取引先、求職者、従業員といったあらゆるステークホルダー(利害関係者)に向けて、企業の全体像を伝えることが主な目的です。

目的1 ブランディングと社会的信用の獲得

コーポレートサイトの最も重要な目的の一つが、企業のブランドイメージを構築し、社会的な信用を獲得することです。

デザイン性の高いサイトは企業のセンスや価値観を伝え、ブランドイメージを向上させます。また、会社概要や事業内容、沿革といった基本的な情報が正確に明記されていることで、取引先や顧客、求職者に「信頼できるしっかりとした会社だ」という安心感を与えます。情報が古かったり、デザインが乱れていたりすると、それだけで企業への信頼を損なう可能性もあるのです。

目的2 採用活動と人材獲得の強化

現代の就職・転職活動において、候補者は必ずと言っていいほど企業のコーポレートサイトをチェックします。サイトを通じて、企業理念や事業内容、社風などを確認し、自分がその企業に合うかどうかを判断するのです。

サイト上で社員インタビューや働く環境、福利厚生などの情報を魅力的に伝えることができれば、優秀な人材からの応募を増やし、採用活動を有利に進めることができます。採用活動において、コーポレートサイトは「未来の仲間」に向けた重要なメッセージボードなのです。

目的3 製品・サービスの認知度向上と販売促進

コーポレートサイトは、自社の製品やサービスを世の中に広く知ってもらうための重要なプラットフォームです。

BtoB(企業間取引)企業であれば、製品の強みや導入事例を詳しく紹介することで、見込み客からの問い合わせに繋がります。BtoC(企業対消費者取引)企業であれば、新製品情報やキャンペーン情報を発信し、ブランドのファンを増やすことができます。分かりやすく魅力的な製品・サービス紹介は、直接的・間接的に企業の売上に貢献します

優れたコーポレートサイトに必須のコンテンツ要素

では、実際にコーポレートサイトを作る際には、どのような情報(コンテンツ)を掲載すれば良いのでしょうか。企業の目的や業種によって多少の違いはありますが、一般的に以下の要素は必須と言えます。

会社情報(会社概要・理念・沿革)

企業の最も基本的な情報です。訪問者が「この会社はどんな会社なのか」を理解するために不可欠です。

  • 会社概要: 会社名、所在地、設立年月日、資本金、役員一覧などを正確に記載します。
  • 企業理念・ビジョン: 企業が何を目指し、社会にどう貢献したいのかを伝えます。
  • 代表挨拶: 経営者の言葉で、企業の想いやビジョンを伝えます。
  • 沿革: 創業から現在までの歴史を掲載し、企業の信頼性を示します。

事業内容・サービス紹介

その企業が「何をしているのか」を具体的に伝えるコンテンツです。専門用語ばかりでなく、誰にでも分かりやすい言葉で説明することが重要です。製品やサービスの写真、導入の流れなどを掲載すると、より理解が深まります。

実績・導入事例

特にBtoB企業において非常に重要なコンテンツです。「どのような企業が、どのように製品・サービスを活用して、どんな成果を得られたのか」を具体的に示すことで、製品への信頼性が格段に高まり、見込み客の導入検討を後押しします。

採用情報

企業の成長に不可欠な人材を獲得するためのコンテンツです。募集要項だけでなく、社員インタビュー、一日の仕事の流れ、キャリアパス、福利厚生といった情報を充実させることで、求職者の入社意欲を高めることができます。

お知らせ・ニュースリリース

新製品の発表、イベント情報、メディア掲載、経営に関する重要なお知らせなど、企業の最新動向を伝える場所です。定期的に更新されていることで、企業が活発に活動している印象を与え、サイトの信頼性も向上します。

お問い合わせ

顧客や取引先、求職者からの連絡を受け付ける窓口です。問い合わせフォームを設置するのが一般的ですが、電話番号や地図(アクセス)も併記しておくと親切です。目的別に問い合わせ先を分ける(例:「製品に関するお問い合わせ」「採用に関するお問い合わせ」)と、ユーザーの利便性が高まります。

センスの良いデザインを実現する3つのポイント

多くの事例を見てきましたが、自社のサイトを「センスの良いデザイン」にするためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。ここでは3つの重要なポイントを解説します。

コンセプトが伝わるメインビジュアル

Webサイトにアクセスしたときに最初に表示される画面(ファーストビュー)は、そのサイト、ひいては企業の第一印象を決定づける最も重要な要素です。このメインビジュアルで、企業のコンセプトや世界観を一瞬で伝える必要があります。

高品質な写真や企業の個性を表現したイラスト、サービスの動きが分かる動画など、伝えたいメッセージに最も適したビジュアルを選びましょう。キャッチコピーも、企業の想いを凝縮した、心に響く言葉を選ぶことが重要です。

ユーザーが迷わない情報設計とナビゲーション

どれだけ美しいデザインでも、ユーザーが目的の情報にたどり着けなければ意味がありません。「どこに何の情報があるか」が直感的に分かる、使いやすいサイトであることが大前提です。

  • グローバルナビゲーション: 全ページに共通で表示されるメニューを分かりやすく整理します。
  • 情報のグルーピング: 関連性の高い情報をまとめ、論理的な構造でページを構成します。
  • パンくずリスト: サイト内の現在地を示す表示を設置し、ユーザーが迷わないようにします。

このような情報設計(IA)とナビゲーションへの配慮が、ユーザーの満足度を高め、サイトからの離脱を防ぎます。

高品質な写真と動画素材の活用

写真や動画の品質は、サイト全体のクオリティと企業の信頼性に直結します。解像度の低い写真や、ありきたりなフリー素材ばかりでは、チープな印象を与えてしまいかねません。

オフィス風景やスタッフの働く様子、製品のディテールなどをプロのカメラマンに撮影してもらうことで、サイトの説得力や魅力は格段にアップします。オリジナルの素材は、企業のリアルな姿を伝え、他社との差別化を図る上で非常に効果的です。

コーポレートサイト制作の基本的な4ステップ

コーポレートサイトが完成するまでには、いくつかの工程があります。ここでは、制作の基本的な流れを4つのステップに分けて解説します。

STEP1 企画・要件定義

制作プロセスの中で最も重要なステップです。ここでサイトの骨格を固めます。

  • 目的の明確化: なぜサイトを作るのか(ブランディング、採用強化、問い合わせ増など)。
  • ターゲット設定: 誰に見てほしいのか(顧客、求職者、株主など)。
  • コンテンツ企画: 必須コンテンツ要素を元に、掲載する情報を具体的に洗い出します。
  • 予算・スケジュールの決定: 制作にかけられる費用と公開希望日を決めます。

STEP2 サイト設計・デザイン制作

STEP1で決めた要件を元に、サイトの具体的な見た目と構造を作っていきます。

  • サイトマップ作成: サイト全体のページ構成を樹形図などで可視化します。
  • ワイヤーフレーム作成: 各ページのレイアウト(情報配置の設計図)を作成します。
  • デザインカンプ作成: ワイヤーフレームに沿って、色やフォント、写真などを配置し、実際のページに近い完成イメージを作成します。

STEP3 システム開発・コンテンツ実装

デザインが完成したら、実際にWeb上で閲覧・操作できるようにシステムを構築していきます。

  • コーディング: HTMLやCSS、JavaScriptといった言語を使い、デザインをブラウザで表示できるようにします。
  • CMS構築: WordPressなどのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を導入し、お知らせなどを簡単に更新できる仕組みを作ります。
  • コンテンツ投入: 完成した文章や写真などの素材を、各ページに流し込みます。

STEP4 公開準備と運用保守

サイトが完成したら、いよいよ公開です。しかし、公開して終わりではありません。

  • 最終チェック・サーバー公開: 誤字脱字やリンク切れがないか最終確認し、サーバーにアップロードしてサイトを公開します。
  • 運用・保守: 公開後は、定期的な情報更新や、セキュリティ対策、サーバーメンテナンスといった運用保守が必要になります。

Web制作会社へ依頼する場合の費用相場

コーポレートサイトの制作を外部のWeb制作会社に依頼する場合、費用はサイトの規模や機能によって大きく変動します。ここでは、大まかな費用相場をご紹介します。

小規模サイトの費用相場 70万円から100万円

ページ数が10ページ程度までの、基本的なコーポレートサイトの相場です。会社概要や事業内容、お問い合わせといった最低限の情報を掲載するシンプルな構成が中心となります。デザインは既存のテンプレートを利用することが多く、中小企業やスタートアップが最初に作るサイトとして適しています。

中規模サイトの費用相場 100万円から500万円

ページ数が10~50ページ程度で、オリジナルのデザインやCMS導入、ブログ機能、実績紹介など、コンテンツが充実したサイトの相場です。企業のブランディングを意識したデザインや、戦略的なコンテンツ設計が可能になります。多くの企業がこの価格帯で制作しています。

大規模サイトの費用相場 500万円以上

ページ数が50ページ以上になる大規模なサイトや、多言語対応、EC機能、会員システム、外部システムとの連携といった複雑な機能を要する場合の相場です。大企業やグローバル展開している企業のサイトがこれに該当し、綿密な戦略設計と高度な技術が必要となります。

まとめ

本記事では、デザインの参考になる企業のコーポレートサイト事例から、サイトの目的、必要なコンテンツ、デザインのポイント、制作の流れ、費用相場までを網羅的に解説しました。

優れたコーポレートサイトは、もはや企業にとって不可欠な経営資源です。ただ存在するだけでなく、企業の「顔」として機能し、ブランドイメージを高め、ビジネスを成長させる力を持っています。

これからサイト制作を始める方は、まず本記事で紹介したような多くの優れた事例に触れて、自社が目指す方向性のイメージを固めることから始めてみてください。そして、サイトを作る「目的」を明確にし、誰に何を伝えたいのかをじっくり考えることが、プロジェクト成功の最大の鍵となります。

この記事が、あなたの会社の素晴らしいコーポレートサイト作りの一助となれば幸いです。

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